日本維新の会に属し、参議院議員の藤巻健史議員が2018年に発足した「仮想通貨税制を変える会」が、今年から本格的に始動します。
現在、仮想通貨の含み益に対してかかる税率は最高で55%の総合課税となっており、「税金の高さ」が仮想通貨の日本市場における発展の妨げになっているのは間違いありません。
そこで、「ブロックチェーン技術は社会インフラを向上させる」と期待を寄せている藤巻議員が、税制によって仮想通貨の未来を潰してはいけないという想いから、適切な税制へ変えるために発足したプロジェクトになります。
仮想通貨税制を変える会を発足致しました。
私たちは仮想通貨・ブロックチェーン技術の発展のため、現在の仮想通貨税制を適切な税制へ変える必要があると考えています。
税制が仮想通貨やブロックチェーンの未来を奪ってはなりません。
詳細は会公式サイトをご覧ください→ https://t.co/tT0H6boXgA— 藤巻 健史(経済評論家・参議院議員) (@fujimaki_takesi) 2018年12月8日
ワタル編集長
目次
仮想通貨税制を変える会とは?
仮想通貨税制を変える会=藤巻議員の想いとして、以下の点を強く強調されています。
- 仮想通貨を広く社会に浸透させ、ブロックチェーン技術の発展を促すためにも、仮想通貨税制をあるべき形に変えていく。
- 税制が仮想通貨やブロックチェーンの未来を潰してはならない。
現在の税制が、仮想通貨やブロックチェーンの未来を潰さないよう、適切なあるべき形に変えることを目的としています。
では、その「あるべき形」の税制とはどのような内容なのか?
それが次の4点であると述べられています。
- 最高税率55%の総合課税から20%の分離課税へ
- 損失の繰越控除を可能に
- 仮想通貨間の売買を非課税に
- 少額決済を非課税に
最高税率55%の総合課税から20%の分離課税へ
現在仮想通貨の取引益に対する税制は、最高税率55%の総合課税となっています。
給与所得のように安定した収入が見込まれるものであるならば、総合課税適用も合理性があります。しかし仮想通貨の取引益はそうではありません。株式や投資信託・FXと同様に収益は不安定で、損失を出す年もありえます。
その観点から仮想通貨の取引益には、株式や投資信託・FXと同様に税率20%の分離課税を適用すべきです。
仮想通貨税制を変える会より引用
最高税率55%の総合課税は、現在の仮想通貨界隈において大きな問題として取り上げられています。
実際にトレードをしている人の中には、税金が高すぎるが故に日本円に換金しないという方も多いのではないでしょうか。
損失の繰越控除を可能に
仮想通貨の取引損を翌年以降に繰り越すことは認められていません。
仮に今年大きな損失を出してしまったが翌年はそれなりの利益を出した場合、通算の損益はマイナスであったとしても多額の税金を納めなければなりません。同じ性質を持つ株式や投資信託・FXの取引損は繰り越すことができ、翌年以降の利益から差し引くことができます。
税の公平性の観点からも、仮想通貨の取引損の繰越控除を認めるべきです。
仮想通貨税制を変える会より引用
そして、損失の繰越控除ができないことも問題ですよね。
投資家が参入したがらない理由は「損失」を相殺できないルールにあると思います。
例えば、100万円の損失を出した後に、100万円の利益が出ている場合も、プラマイゼロになりません。
なんと利益が出ている100万円に対してだけ税金が課せられるのが、現在の課税ルールになっているんです。
ワタル編集長
仮想通貨間の売買を非課税に
仮想通貨間の売買も、現在の税制では課税対象になっています。
例えばビットコインでリップルを買ったとしたら、その時点でビットコインの売買損益を確定させ、利益が出ていたら納税をしなければなりません。一回の取引ごとにその都度損益を計算する作業は、極めて煩雑で大きな負担となってしまいます。
仮想通貨間の取引量を増加させ、仮想通貨市場を活性化させるために、仮想通貨間の売買を非課税とすべきです。
仮想通貨税制を変える会より引用
はい、これも意味が分かりません。
仮想通貨間で売買をした場合の損益も課税対象になります。
ワタル編集長
少額決済を非課税に
今後取引の増加が見込まれる実社会における仮想通貨の決済も、現在の税制では課税対象とされています。
例えば飲食店で食事をし3,000円分の会計をビットコインで支払ったとしたら、その時点でのビットコイン価格とビットコインの購入価格から損益を確定させ、利益が出ていたら納税をしなければなりません。こんなことをいちいちしていたら、実社会での仮想通貨決済の浸透は到底望めません。
少額の仮想通貨決済は非課税とし、実社会での仮想通貨決済を拡大させていくべきです。
仮想通貨税制を変える会より引用
少額決済が課税対象になっているのも、確定申告の計算をややこしくしている要因です。
課税対象になっている限り、仮想通貨が決済インフラとして導入されることは無いように思います。
仮想通貨における3種類の税金ルールと課税額を徹底解説仮想通貨税制を変える会が本格的に始動
2018年12月1日に発足した、「仮想通貨税制を変える会」ですが、ついに本格的に始動します。
まず第一弾として、
実務面における仮想通貨税制の第一人者であられる税理士の柳澤賢仁先生をお招きし、「実務面から見た現在の仮想通貨税制の問題点と今後のあるべき税制について」をテーマに講演会が行われます。
【仮想通貨税制を変える会 第一回講演会】
日 時:1月30日(水)18時~19時45分
場 所:参議院議員会館講堂(住所:千代田区永田町2-1-1)
参 加 費:無料
申込締切日:1月15日(火)
定 員:300名(大変恐縮でございますが、定員超過の場合は抽選とさせて頂きます。)~講演プログラム~
18時~18時15分
「会発足のご挨拶」
仮想通貨税制を変える会会長 参議院議員 藤巻健史18時15分~19時15分
講演「実務面から見た現在の仮想通貨税制の問題点と今後のあるべき税制について」
税理士 柳澤賢仁19時15分~19時45分
質疑応答
参議院議員 藤巻健史 税理士 柳澤賢仁
かなり大規模な講演会になっています。
ご参加をご希望の方はお名前を明記の上、下記アドレス宛にご連絡ください。
仮想通貨税制を変えるために、サポーター登録しよう
藤巻議員は、現在の仮想通貨に対する税制に対してかなり危機感をお持ちです。
日本は、ビットコイン取引量が世界最大級であり、国内有力機関の仮想通貨市場への参入が相次ぐ我が国において、ブロックチェーン技術は世界の最先端であるべきで国益に直結する。
という考えを持っており、非常に共感を覚えます。
仮想通貨やブロックチェーンに対して真剣に考えられている議員によって、本気で変えるために発足されたプロジェクトであると期待しています。
日本の仮想通貨に対する税制を変えることができれば、仮想通貨の風向きは一気に変わる可能性を秘めています。
「仮想通貨税制を変える会」のサポーター登録をすることで、その人数が増えることで、少しでも有利に働くのであればそれは確実に嬉しいことですよね。
ワタル編集長
ぜひ、仮想通貨の税制を変えるべく、「仮想通貨税制を変える会」のプロジェクトを応援しましょう。
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