仮想通貨と言えば、今では投資や投機のイメージが強いですよね。
ですが、多くの人に知ってほしいのは仮想通貨は「未来を変える革新的な技術」である、ということなんです。
関係各所では1,000年に1度の革命とも呼ばれているほどの仮想通貨ですから、同じ時代に生きているからにはこの革命にワクワクしたほうが絶対に楽しいと思うんです。
今回は、仮想通貨がなぜそこまでの代物として受け入れられているのか。という部分にスポットライトを当てて、中でも基礎である『コンセンサスアルゴリズム』の解説をしていきたいと思います。
これであなたも技術ワクワク勢の仲間入りですよ!
目次
コンセンサスアルゴリズムってなに?
まずは、この小難しそうな横文字の意味から説明しますね。
- コンセンサス=合意
- アルゴリズム=方式
つまり、直訳をすると『合意方式』となるわけです。
ご存知のとおり、仮想通貨のほとんどは【非中央集権】と言って、明確に管理をする組織が存在しないのが大きな特徴ですよね。
そのため、ひとつひとつの取引きに対して、「誰が」「どのような方法で」承認をするのか、それを決めるルールが【コンセンサスアルゴリズム】というわけです。
仮想通貨で取引きが行われた場合は、その取引きが正しかったのかどうかを判断する必要があります。
その判断方法(コンセンサスアルゴリズム)の代表的なものが、
- PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
- PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)
- PoS(プルーフ・オブ・ステーク)
- PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)
これら4つの方式というわけです。
PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とは?
PoWを採用している代表通貨は、『BTC(ビットコイン)』です。
PoWとは、取引データが格納されているブロックチェーンにて膨大な計算量を必要とする問題を最初に解いた人を取引承認者とする、という方式のことです。
取引の内容などをブロックチェーンに記録することをマイニングと言い、それを行う人たちのことはマイナーと呼ばれます。
マイナーと呼ばれる方々は、約10分にもわたり膨大な計算量を処理して、ブロックチェーンに新たなブロックを作ります。
その作られたブロックに改ざんや二重使用などの不正がないかをネットワーク参加者で承認を行うのが一連の流れですね。
PoW(プルーフ・オブ・ワーク)のメリット
不正や改ざんが起きない仕組み
PoWのメリットは、「取引記録の不正や改ざんに強い」ことです。
ブロックチェーンは過去から現在にいたるすべての取引記録が連動しているので、悪意のある人が不正を働こうとしても、その他大勢のマイナーたちの計算量を上回って処理をし続けないといけないため、不正を働くことは不可能と言われています。
まぁ、これは本当によくできた仕組みで、不正を働こうとする人が世界中のマイナーが使うコンピューターの計算能力を上回ることはまず無理ですからね。
Pow(プルーフ・オブ・ワーク)のデメリット
ブロックの生成に10分の時間を要する
まず、問題として上がるのは、取引承認までに10分もかかってしまうという点でしょう。
PoWの計算というのは、「ある一定の条件を満たすハッシュ値を探していく」という計算です。
どんなにハイスペックなCPUでも回答するのに10分はかかってしまうほどの膨大な計算量になります。
電気代がかかりすぎる問題
取引承認を行うマイニングには、報酬が発生します。
そのため世界中のマイナーによる競争が激化しており、高性能なスペックを搭載したマシンを数千台も用意してマイニングに励むような業者も存在する世界なんですね。
それだけの機能を搭載したマシンを数千台もフル稼働させるような次元ですので、電気代が絶望的に膨れ上がります。
一説によると、小さな国と同じくらいの電気代を消費しているとも言われているので、個人でマイニングに参加するのは現実的ではありません。
51%攻撃
上述のとおり、個人でマイニングに参加することが不可能なため、現状では「大規模なマイニング専門集団」が出てきています。
そして、その集団が力を持ちすぎると何が起こるか?
そうです、マイニングの承認をどんどん独占できる可能性が出てきてしまいますよね。
つまり、ブロックチェーンで行われる計算処理の過半数が、特定の個人あるいは集団にかたよる恐れがあります。
これが【51%攻撃】と呼ばれる、PoWの不安材料なんですね。
もし過半数を超えると、それは【中央集権化】することを意味します。
このように「非中央集権化」を目指していた技術が、いつしか「中央集権化」のリスクを持つようになっていることが懸念されています。
PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)とは?
PoCを採用している代表通貨は、『XRP(リップル)』です。
PoCは、取引を承認する人があらかじめ決まっている方式のことを言います。
その一部の決められた承認者を「バリデーター」と呼び、彼らによって承認が行われます。
承認者のリストをユニーク・ノード・リスト(UNL)と呼び、UNLの80%以上が有効と判定した場合、UNLの承認者たちによって管理されている分散型台帳に記録されます。
PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)のメリット
数秒以内に承認が完了し、高速取引が可能
PoWによるマイニング作業のように電気を消費する必要がなく、数秒以内に承認が完了するため、非常に速い取引が可能になります。
UNLとして各承認者があらかじめ決まっていることで、承認完了までのスピードを上げることに成功したんですね。
また、UNLの承認者は、お互いをネットワークの承認者として許可し合うことで形成されていて、許可されなかった場合はネットワークから除外されることになります。
PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)のデメリット
中央集権的な仕組みになっている
ここまでの特徴を読んで、お気づきになった方もいるでしょう。
そうなんです、承認者があらかじめ決まっている=中央集権ですよね。
実はUNLの管理はリップル社が行っていて、承認者のほとんどがリップル社のサーバーで構成されています。
ほぼリップル社が中央集権的に承認を行っていると言えます。
ただ、今後は段階的に同社で管理しているサーバーを停止していき、他のノードを承認者として加えていくことによって非中央集権的なネットワークにしていくとの方針を表明しているため、期待したいところです。
XRP(リップル)が非中央集権化の動き加速か?リップル社のノードが過半数を割るPoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは?
PoSを採用している代表通貨は、『ETH(イーサリアム)』です。
PoSは、「保有による証明」を意味します。
つまり、マイニングという概念がなく、通貨の保有量に応じて報酬や発言権が付与されるという仕組みになっています。
PoSは、PoWのデメリットを解決できるコンセンサスアルゴリズムと言えます。
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のメリット
PoWの不安点が解決されている
PoWのデメリットである「電気代の高さ」と「51%攻撃」を解消していることがメリットと言えます。
まず、PoSは膨大な計算が必要ないので、電気代は一切かかりません。
この仕組みは、多くの仮想通貨に適用され始めています。
そして51%攻撃による中央集権化の不安についても、コインの過半数を保有するというのはあまりにも非現実的であり、ほぼゼロと言えるでしょう。
ブロックチェーンの鉄則である「非中央集権」という考え方がしっかりと守られている仕組みなんですね。
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のデメリット
貧富の格差が生まれる
PoSの仕組みである「保有量に応じて報酬や発言権が付与」だと、どうしても貧富の差が生まれてしまうのがネックです。
資産を持っている人がたくさん保有する→保有量が多いから報酬も得られる、というように「元金の多い方が勝つ」という仕組みになってしまっている点がデメリットだと思います。
多くのコインを保有するという行為そのものに報酬を与えてしまうと、通貨の本質である「流動性」を損なうことに繋がる恐れもあるんですよね。
PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)とは?
PoIを採用している代表通貨は、『NEM(ネム/XEM)』です。
PoIとは、参加者の重要度に応じて報酬や発言権が付与される仕組みです。
そしてその重要度は、「保有量」と「取引」によって定められるのが特徴なんですね。
いかに様々なシーンや人と取引されたのか、という点も評価に加わるということです。
PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)のメリット
通貨の流動性を担保できる
PoSのデメリットであった「富裕層が有利になってしまう」という点や、「流動性が失われる」というリスクを回避した仕組みがメリットになっています。
PoI方式で、保有量に加えて「取引」が加わることで流動性が高まるので、貧富の差が極端に広がることがないわけですね。
PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)のデメリット
コイン報酬を得るための難易度が高い
PoIの仕組みによってコインを報酬として得ることを、ハーベスティング(収穫)と呼びます。
このハーベスティングに参加するには、ある一定量のコインを保有している必要があります。
そのため、結局のところ富裕層が力をもってしまうのでは?と懸念されています。
コンセンサスアルゴリズムそれぞれの比較まとめ
こうしてそれぞれの方式をまとめていくと、どんどん新しくなるにつれて古い方式の弱点を克服しているのが分かりますよね。
すべては基盤通貨であるビットコインに採用されているPoWから派生し、改善を考えられて生まれた方式です。
PoW | PoC | PoS | PoI | |
---|---|---|---|---|
方式 | 仕事量に応じて報酬を得る | 承認者が決まっている | 保有量に応じて報酬を得る | 保有量と取引頻度に応じて報酬を得る |
長所 | 不正や改ざんに強い | 数秒で取引が完了する | 低コスト、51%攻撃リスクを解消 | 流動性を担保できる |
短所 | 取引時間が長い 電気代が高い 51%攻撃のリスク | 中央集権的な仕組みになっている | 貧富の格差が生まれる 流動性が失われる | 貧富の格差は無くならないかもしれない |
代表通貨 | BTC | XRP | ETH | XEM |
表にしてみると分かりますが、すべてひとつ前の方式の課題を解消し、分かりやすく進歩させているのが特徴です。
今後もまだ新しい方式は生まれてくるかもしれませんよね。
仮想通貨は、こういった新しい技術革新の観点で接するのも非常に楽しいです。
これからのさらなる進歩に期待したいですね!
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