各メジャー通貨が揃って下落を続けていて、まさに悲観相場ですね。
ワタル編集長
今回下落している理由もファンダメンタル的な理由が明確なので、ここから再浮上すると思っています。
その再浮上のひとつの鍵として挙げられるのが、日本でも投資信託会社として有名なフィデリティによる仮想通貨市場への参入です。
フィデリティデジタル資産という子会社を設立して、
- 仮想通貨管理(カストディ)サービス
- 機関投資家への売買プラットフォームの提供
この2つのサービスを軸に、仮想通貨業界へ参入します。
ワタル編集長
目次
フィデリティによる仮想通貨カストディサービス
カストディサービスとは資産の保管を行ってもらうサービスです。
機関投資家は、動かすお金のケタが違うので資産を保管(カストディ)するサービスは僕ら一般人が思っているよりも非常に重要になってきます。
多くの専門家は、「機関投資家が仮想通貨市場に入る上で、第一関門となるのはカストディである。」と語っているほどに、仮想通貨の重要課題なわけです。
さて、今回参入を発表したフィデリティはすでに13,000ほどの機関投資家顧客を扱っています。
したがって歴史や信頼性という意味でも世界最大級の企業なのは疑いの余地がありません。
預かっている資産は約6.9兆ドル(約760兆円)にものぼり、機関投資家からの信頼も厚く、仮想通貨のカストディサービスを行ううえで、フィデリティほどふさわしい存在はいないと言えます。
つまり、フィデリティの仮想通貨参入は、ヘッジファンドから個人投資家まで幅広い層の投資家を呼び寄せるきっかけになり得るわけです。
フィデリティによる売買プラットフォームの提供
一方のカストディアン(投資家の資産を預かる各金融機関)にとって最も重要なのは「売買プラットフォームの提供」になってきます。
フィデリティ内部の高速取引技術(クロッシングエンジン)と複数の仮想通貨取引を提供するサードパーティを使用する取引実行サービスになります。
フィデリティと取引所の間よりも、取引所内部の処理がボトルネックにはなりそうですが、ブローカレッジが増えていくことにより、bitFlyerやZaifのような既存のサービス拡張が不可能なクラウド取引所から、機関投資家向けのサービスへと移行していく流れになるものと予測できます。
証券会社の重要な業務の1つで、委託売買業務とも呼ばれていて、売買注文を取り次いだ際に投資家から受け取る手数料が収入源となります。
「株式等の有価証券取引」の部分を「仮想通貨取引」に置き換えてもらえれば今回のフィデリティの参入が仮想通貨投資のをハードルを下げることに繋がりますよね。
つまり、機関投資家たちはフィデリティのブローカレッジを介すことで、さらに仮想通貨への投資に対してフットワークが軽くなる!という期待が高まっているわけなんです。
フィデリティの仮想通貨参入による影響はどれくらい大きいか
フィデリティの仮想通貨サービスは機関投資家向けであり、上述のとおり預かり資産は約6.9兆ドル(約760兆円)にのぼります。
世界最大取引所バイナンスのCEOであるCZ氏がTwitterにて、フィデリティ参入のインパクトを以下のように伝えています。
What happens when a fund like Fidelity allocates a mere 5% of their portfolio to crypto? Have you calculated how much that is? https://t.co/ljcZ4SjQnw
— CZ Binance (@cz_binance) 2018年10月21日
フィデリティのような投資会社が、ポートフォリオのわずか5%だけを仮想通貨に割り当てたとしたら、どれくらいの影響があるか計算してみたことはあるかい?
ワタル編集長
フィデリティの預かり資産
約6.9兆ドル(約760兆円)の5%
||
約3,500億ドル(約39兆円)
ちなみに、2018年11月26日現在の仮想通貨全体の時価総額は約1,298億ドル(約14兆円)です。
たったの5%の資金がフィデリティから流れてくるだけで、仮想通貨の市場規模は倍以上に膨らむことになるほどのインパクトなわけです。
フィデリティの仮想通貨市場参入が浮上の鍵を握る
フィデリティの一般開放は、2019年の初旬を予定しています。
- カストディサービスによって機関投資家のきっかけになる
- 売買プラットフォームの提供によって機関投資家の資金を仮想通貨へ流れる仲介役となる
フィデリティは、機関投資家が仮想通貨へ参入するきっかけを作るという課題も、その機関投資家の膨大な資金を仮想通貨へ流入させるという課題もいっぺんにクリアしてしまうという重大なニュースです。
ワタル編集長
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