日本時間11月16日1時40分頃に控えるビットコインキャッシュのハードフォーク問題が非常に話題になっています。ただ、分裂によって新しいコインがもらえるとは限らないことをご存知でしょうか?今回ではビットコインキャッシュ・ハードフォーク問題の概要、経緯、影響と対策について解説していきます。
イスカ@コイナー
目次
ビットコインキャッシュ・ハードフォーク問題の概要
今回のハードフォーク問題は、ビットコインキャッシュのアップデート内容に関する意見の違いからBitcoin SVとBitcoin ABCという2つのプロトコルに分かれることが問題となっています。
保守派:Bitcoin SV
ABCサイドの代表者がジハン=ウー氏でビットコインキャッシュを生み出した責任者です。
つまり、今までのビットコインキャッシュがABCサイドということになります。当然ながら、予定されていたアップデート推進派になります。
一方、今回のアップデートに反対しているBitcoin SVの代表者がナカモト・サトシだと自称していたクレイグ=ライト氏という40代のオーストラリア人です。
ワタル編集長
ビットコインキャッシュ・ハードフォーク問題の経緯
ビットコインキャッシュ・ハードフォーク問題のきっかけ
ビットコインキャッシュは日本時間11月16日1時40分頃の大幅アップデートで「WHC」と「DSV」という2つの機能を実装する予定でした。
ビットコインキャッシュを裏付けとしたトークンを発行するシステム。ビットコインキャッシュを焼却することで新しいトークン作成に使えるワームホールキャッシュを作り出せるようになります。つまり、イーサリアムのERC20と同様のことができるようになるわけです。
DSV(op_checkdatasigverify):
異なるブロックチェーンへの資産の移動を可能とするシステム。簡単にいえば、ビットコインキャッシュはDAPPSを始めとした送金以外に使えるようになります。
イスカ@コイナー
この2つのアップデートに対し、クレイグ氏は「WHC」と「DSV」がナカモト・サトシの理想に反すると反対します。
WHC(ワームホールプロトコル)ではBCHの総量が減って集権化が進む可能性があるため反対、DSV(op_checkdatasigverify)は違法賭博に使われる可能性があるため反対というわけです。
ABCサイドのアップデートに反対したクレイグ氏は独自のアップデートを行おうとします。
そのシステムの名は「サトシ・ビジョン(サトシの理想)」を略した「Bitcoin SV」。
これがビットコイン・キャッシュのハードフォーク問題のきっかけです。
ハッシュウォー
今回のハードフォークが異常である理由はBitcoin SVはビットコインキャッシュを分裂させる気がなく、BitCoin ABCに対して、ハッシュウォーを引き起こしたことです。本来なら有り得ないことですが、SVサイドはハッシュパワーの占める割合が高いことから泥沼になる可能性があります。
ハッシュウォーハッシュ(マイニング速度)の高さを競う戦い。ハッシュが低い方は消滅する。
つまり、どれだけのマイニングリソース(金)をつぎ込めるかが勝負になります。
ワタル編集長
・Bitcoin SV支持派マイニングプール(Coingeek・SVPool・BMGPool)は4割
・BitCoin ABC支持派マイニングプール(AntPool・viabtc・BTC.com)は2割
・立場が不明なマイニングプールは4割
一見、SVサイドが有利ですが、ABC支持派の一部はビットコインのマイニングを行っているので、その分のリソースを利用すれば状況は拮抗します。ハッシュウォーの行方は、蓋を開けてみないことには分かりません。
また、もしSVサイドとABCサイドが和解して分岐に合意すれば、Bitcoin SVという新しい通貨が生まれるということになります。
ビットコインキャッシュ・ハードフォーク問題の影響シナリオと対策
今回のビットコインキャッシュ・ハードフォークは完全な異常事態であるといえます。
今後のビットコインキャッシュを取り巻く状況として考えられる主なシナリオは2つです。
影響シナリオ①:どちらかのサイドが勝利
シナリオ①では新しい通貨は生まれません。負けたサイドが消えて、勝ったサイドがビットコインキャッシュのプロトコルとなります。
フォーク通貨が生まれるという期待を裏切る結果になるため、ビットコインキャッシュの価格は下落する可能性が高いです。
影響シナリオ②:両方の和解して分岐
シナリオ②では、新しいBitcoin SVが生まれビットコインを持っている人に付与されることになります。
以前、ビットコインがビットコインキャッシュに分裂した際、ビットコインの価格は失ったハッシュパワーの分だけ下落していました。
もしBitcoinSVが誕生した場合、少なくとも4割のマイニングプールはBitcoin SVに移ることから、ビットコインキャッシュの価格も40%下落する可能性があります。
ただ、ABCサイドも価格を維持させるために何らかの施策を行うでしょう。
そのため、シナリオ②になった場合はビットコインを持っている人はBitcoin ABCの施策による上昇分だけ得することになります。
ビットコインキャッシュ・ハードフォークの最善対策
もちろんシナリオ①、②以外に価格が高騰する別のシナリオになる可能性も決してゼロではありません。
そのため、ノーリスクでできる対策は
①ビットコインキャッシュの現物を購入
②Bitcoin SV付与のサポートをしている取引所かウォレットに預ける
③購入したビットコインキャッシュと同じ量だけ空売りする
上記の3ステップです。
これにより価格変動の影響を受けることなく、タダでフォークコインを受け取ることが可能になります。
今回のハードフォーク問題に対し、SBI VC以外の国内取引所はBitcoin SV付与のサポートに対応するか否かについて明確な発表はしていません。なお各国内取引所の最新発表は下記にまとめています。
【最新】11月ビットコインキャッシュハードフォーク 国内仮想通貨取引所対応発表まとめ
SBI VCの口座をまだ持っていない人はハードフォークまでに口座開設することは間に合わないでしょう。そのため、Bitcoin SV付与が不明瞭な取引所にビットコインキャッシュを持っている人は、Bitcoin SV付与サポートを明言していて、簡単に口座開設が可能なBinanceに口座開設して、ビットコインキャッシュを預けて空売りするのが最善といえます。
口座開設については以下記事を参考にしてください。
世界大手の取引所Binance(バイナンス)!すごい点をわかりやすく解説
また、口座開設が面倒だという人はBitcoin SV付与をサポートしているGincoにビットコインキャッシュを預けて、持っている口座で預けた分と同じ量だけ空売りことをおすすめします。
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